飛込みには高飛び(プラットフォーム)と飛板(スプリングボード)の2種類がある。高飛込みはコンクリートの固定台からのダイブを競うもので、個々の踏み切りの技術や力のみで飛び込む。FINA(国際水泳連盟)の定める高さ、5m.、7.5m、10mとそれぞれあり。特に大きな大会は10mからの演技で競われる。一方、飛板は弾力性のあるボードをうまく使用してより高く飛び上がり高度で複雑な演技を競う。
ダイビングで使用される飛板は、弾力をもった板の性能から「スプリングボード」と呼ばれて、飛板飛込みは「スプリングボード・ダイビング」と呼ばれている。最初、木製でスタートしたこのダイビングの板は、弾力を向上させるための数回の改良を経て、現在は昔とは比較にならないほど弾力をもった「デュラフレックス」と呼ばれるジュラルミン製のアルミ合金板が使用されている。設置される高さは、FINAの定めるルールにより、1Mと3Mに限定されており、五輪では3Mの競技会しかないが、その他の国際大会あるいは国内大会では1Mの競技会も行われている。
また競技会で使用されている飛板は、同じくFINAの定めるルールにより、現在は飛板の先端部に小さな穴があいている。このことから「チーズボード」と言う愛称がついた。主に、表面に滑り止めがほどこされている米国製のジュラフレックス・タイプCというボードが使用され、2003年版のボードが最新で、従来よりも更に先端部がしなり力のある選手などが1Mで板を踏むと水面に容易に接触するほどまでにしなり、そういった選手が3Mで飛び上がると、8Mもの高さにまで達する。
このように、飛板は時代や技術の進歩により、木製からジュラルミン製、ノーマルボードからチーズボードへと改良され、より柔軟性があり空気抵抗の少ない飛板へと進化をとげた。
飛板の特徴としては、飛板の柔軟性を調節することの出来る「ローラー」と呼ばれる台がついている。ダイバーはこの可動式の支点を足で移動させて、自分に合った柔らかさの位置に固定しダイブすることが出来るようになっている。このローラーの位置は自由に選べることになっているが、目印として1~9までの数字が飛板の上に印刷されており、1に近づけば近づくほど飛板の先端部の揺れが小さくなり、いわゆる「かたい」状態になる。また、逆に9に近づくほど飛板の揺れが大きくなり「柔らかい」状態となる。
ダイバーは、このように自分にあった飛板の調節を行い演技するが、最近での多くのダイバーは高度な演技種目をするために、すべて9の位置で板を踏むことで、より板を押さえ、より高く飛び上がることに重点をおいている。しかしながら、板が大きくしなるために熟練した技術と力が要求されるので、ジュニアダイバーのうちから慣れる必要がある。したがって、飛込み選手の特徴として高飛込みはジュニア期に得意とし、ベテラン選手になるにつれ飛板の選手として磨きがかかってくる選手が多い。
このように、時代と演技種目の発展により飛込みの器具や施設、ルール改定、新競技などにより、発展をとげていくであろう。今後どう変わって行くのか楽しみである。